グッドイヤーウェルテッド製法について

グッドイヤーウェルテッド製法について

靴の製法と聞いて、ピンとくる方、知ってるよという方は、100%靴好きです🤗

お客様に靴の製法の話をする際、きちんとその話題を返してくれる方は、よく靴を知っていらっしゃる方に間違いありません。

基本的に靴の製法については、ほとんどの方は1つも知らないですし、ほとんどの人は興味の無い、世間的には全く知られていない情報だと思います。

しかしながら、靴は製法によって特徴が色々と変わり、それが履き心地にも、靴の持ちやメンテナンスのしやすさにつながったりします。

代表的なものでも5、6種類の製法があって、それがそれぞれの用途によって使い分けながら、靴が作られているということを知ると、靴というのは歴史のある奥の深いものなんだなということがわかってくるのです。

今回のブログでは、その製法全部を書くと長くなってしまいますので、 

tieniコレクションで使っている製法、グッドイヤーウェルテッド製法について、書きたいと思います。

 

グッドイヤーウェルテッド製法は、19世紀後半ぐらいに、アメリカのグッドイヤーさんという方が確立した製法です。

ハンドソーンウェルテッドという、中底の裏に凹凸を彫ってリブにし、そこにウェルトを縫い付けるという昔ながらの製法を、機械で行うことができるように改良した製法で、手縫いしかできなかった部分を機械で行うことができるようになったことから作業が劇的に早くなったと言われています。

 

グッドイヤーウェルテッド製法は中底のリブを、彫る代わりに接着剤で裏に貼り付けるのが特徴です。

そのリブに甲革、裏革、ウェルト(靴の周りにぐるっと回される細長い革)を縫い付けます。

 

 

 

この周りにぐるっと一周したウェルトを使って、下の底の部分を縫い付けて靴を完成させていきます。

写真でわかる通り、リブの内側、中央部分にくぼみができますのでそこにコルクを詰めます。

コルクは底との間のクッションの役目になります。

 

 

 

では、なぜtieniコレクションはこの製法の靴にしたのか。

 

この製法の大きな特徴の1つに、靴の上の部分と底の部分を完全に分離させて分解できるという特徴があります。

 

靴は上の部分と底の部分では”持ち”が全然違います。(当たり前ですが・・)

なので、靴の修理=ほぼ底の修理なのですが、

この点でグッドイヤーウェルテッド製法の上記の特徴が発揮することになり、

靴を分解して底を分けて新しく交換できることが可能になるため、

履き慣れた靴が、そのまま履き慣れた状態で底だけを綺麗にして、あたかも自分の足にぴったりあった新品の靴ような状態に靴をリニュアルすることができるのです。

これがこの製法で靴を作る、大きな理由の一つになります。

 

kutsulabの靴は、履き慣れた靴を長いこと履き続けるということを大事にしています。

履き慣れた靴の底を修理して、またその靴を履き続けることができれば、さらに長い間、愛用の靴と一緒にお出かけし続けれます。

1つのものを大事に長く使い続けることは、履き潰しながら新しいものを求める時代からの変化として、地球環境にとっても、すごく大事なことだと考えています。

また、kutsulabの靴は、中のコルク材に革の端切れの使わなくなった部分などを混ぜて、なるべく材料の無駄が無いようにするなど、

地球環境に配慮しながらも、履き心地や質、また長く愛用し続けることができる製品となるように、心がけています。

 

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