靴のサイズは、洋服のサイズよりも繊細です。
足は、動きが激しく全体重が掛かる体の中で一番負荷の高い箇所で、
靴の構造も、その動きを考えて空間が作られ、また歩行を支えるために締める部分を設けているので、
足長のサイズが0.5cmでも違うと、違和感を感じ、ブカブカだったり、当たって靴擦れを起こしたりすることになります。
靴のサイズは、JIS規格で定められています。
しかしながら、実際には靴メーカーで独自に決めている場合もあり、同じサイズ表記でも、買ったブランドによってサイズが合わなかったりすることはしばしば起こります。
その木型のデザインやコンセプトなど、また、どのように靴を見せたいかなどでも、少しサイズのバランスや展開を靴メーカー独自に崩して、お客様に展開します。
ですので、お客様は、「自分の足のサイズはxxだ」と認識されていることがほとんどですが、実はブランドによって、合うサイズは異なったりするのです。
ちなみに私の例ですが、スニーカーは26.5-27cmを履きますが、kutsulabの靴は25.5のEEがぴったりです。
なので、結論としては靴は試し履きをきちんとしてから買ったほうがいいということになります。
しかしながら、kutsulabはオンライン専業です。
初めてのお客様に試しで履いていただく機会は、今のところ全くないといっていい。
この問題は、私たちにとってとても大きな壁でした。
「お客様のサイズをちゃんと把握した上で靴を作り、お客様全員に対して、満足のいくサイズの靴をご提供したい。」
これが私たちkutsulabにとっての、サイズに対する”ゴール”です。
ではこれを実現するためにどうすればいいのか。
悩んで作ったのがペーパークラフトの足測定ツールです。
kutsulabの靴のサイズ展開に合わせて作ったツールで、
お客様自身に測っていただき、申告をいただいた上で、その計測結果を元にきちんとコミュニケーションしてから、サイズを確定して製作する。
まずはその方法で、オーダーの際、足のサイズ決定に不安がないようにしています。
しかしながら、そうしていても、なかなか実際に履いてみるとサイズが大きいなどのご意見も、たまに頂きます。
そのような場合、きちんと足測定器で出た数値を申告されていない事が一つの原因としてあります。
靴には、捨て寸という、足先の余裕のためのスペースが設けられています。動作が大きく、負荷も大きい足にとって、靴の捨て寸は足に必要な”余裕”です。
tieniコレクションの靴の捨て寸は、KL001もKL002も2cmとなっています。
なので、例えば25cmサイズの靴における実際の長さは27cmになります。
tieniコレクションの靴のデザインは、先が丸いデザインのため、足先の可動範囲は先の細い靴より大きくなります。
なので、足長のサイズは、先の細い靴に比べると、よりつま先への余裕につながってしまうため、大きめを購入されると、よりダイレクトに大きく感じることになります。
私たちの足測定ツールで出た計測結果は、お客様が認識されている靴のサイズよりも小さいサイズが結果として出る傾向にあります。
ですので、お客様は
「私の靴のサイズはxxなのに、何だか測定値が小さくて不安」
と思い、つい少し大きめのサイズを申告されてしまうようです。
しかしながら、それだと出来上がったものが大きめだと感じる靴になってしまうため、お客様にはその計測結果を素直に申告していただきたいなと思っております。
足のサイズは、靴を提供する側にとって、まだまだ課題の多いテーマです。
少しでもサイズが合う靴をお客様に履いていただくように、これからも色々と試行錯誤しながら、精進していきたいと思います。