tieniコレクションの革靴の中敷には、革靴のアイコンの刻印が押されています。
普通、革靴の中敷にはそのブランドのロゴが刻印されます。
なので、普通であればtieniコレクションの革靴には、
「tieni collection」とか「kutsulab」とかが刻印されるはずなのですが、
それを、あえてお客様が選んだ革靴デザインのアイコン👞にしています。
これは、単純に可愛いなということで決めたというのもありますが、
もう一つ、以下に書く、今のファッションに対する、アンチテーゼの意味合いも持っています。
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・ ファストファッション
ファストファッションはファッションを面倒なものにしてしまった面があります。
自分をファッションで表現したり、自分の好きなものを見つけるのが本当に面倒だなと思う方には、ファストファッションは安価で便利なものですが、
一方、多様なファッションに出会い、楽しむ機会を減少させてしまっているような気がしています。
・ 受け身のファッション
ファッションは、消費者にとっては実は1つ1つはとても受け身なものなんだと感じています。
なぜならファッションはそれを身に付ける人がデザインをしているわけでは無く
限られた選択肢から選択しているに過ぎないからです。
・ ブランドというバイアス
ファッションにはブランドのバイアスがあります。
ブランドそのものに絶対的な価値があり、
人々はそれを得ることで承認欲求を満たします。
そこには、物本来の価値がブランドを含めた価値と比べて、解離していることが多い気がしています。
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そういったことの、ほんの少しばかりのアンチテーゼとして、1足1足丁寧に刻印を入れています。
では、このアイコンが意味するアンチテーゼとはどういうものか、ですが、
まず、我々は、靴はファッションアイテムとしては、少し特殊なカテゴリだと思っています。
もちろん見た目は重要なのですが、
靴は、それ以上に機能だったり”持ち”(耐久性やサステナブル性)だったりを求められ、
サイズも細かく刻まれている、よりパーソナルに寄ったファッションアイテムです。
それは、メガネとかに近いのかもしれません。
ですので、普通の革靴ブランドのやり方よりも、少しだけお客様寄りに商品を提供すべきではないかと考えました。
なので、tieniコレクションの革靴は、パターンオーダーとして、色だけでなく、素材の特徴なども考えてパーツを組み合わせる体験を提供しています。
お客様に、パターンを選択するという経験して頂き、履いているシーンをイメージして楽しみながらご購入いただければ、より自分の靴であるという感覚を持つことができるようになります。
そして、能動的に自分の人生の価値軸をそのアイテムに加え、それをお客様にとっての価値にしていくほうが、靴の価値を向上させる方法としては自然で、
ひいては流行り廃り関係なく、長く使えるアイテムへとなっていくんだと
そう信じて、お客様に選んでいただくという体験を提供しています。
ブランドに帰属しているアイテムではなく、より個人に帰属しているアイテムとして、流行りとかは関係なく、お客様の生活に存在し続けて欲しい。
私が選んだ靴というアイデンティティを持ち、大事に履いて欲しい。
そういう思いを込めて、ブランドのロゴではなく、お客様が選ばれた革靴のデザインのアイコンを刻印しています。